長崎街道

境原宿へ
~地域の特色を活かしたユニークイベント~

若宮神社
▲若宮神社

 神埼宿と佐賀宿の間に位置する境原宿は周囲を田園地帯に囲まれたのどかな地域です。旅人が道中の安全を祈ったという若宮神社では、この地方独特の肥前鳥居が有名です。かつて脊振村広滝の鷹取山に鎮座し、仁徳天皇を祀ったのが始まりといわれています。左奥の境内には御小休憩もあり、旅の祈願と休憩をかねて旅をしていた人もいたのではないでしょうか。

神埼市境原宿付近の風景
▲神埼市境原宿付近の風景

 街道に戻ると田んぼの間には縦横にたくさんの水路が通っており、田んぼなどの整備は時代とともにされてきたと思いますが、米と麦の二期作が一般的だった昔の面影を今でも残しているといえます。境原宿は小さな宿場町であったそうですが、かつては蝋(ろう)問屋があって、白壁の土蔵が並んでいました。この地を旅した尾張の商人が「人家140、茶屋50、宿屋あり」と記した記録が残っていますが、明治7年の佐賀の乱でそのほとんどが消失してしまったそうです。
そんな田園地帯広がる境原宿を歩いてみましょう。

原の町 恵比寿像
▲原の町 恵比寿像

 境原宿入り口付近には、浄覚寺があります。ここをさらに進むと原ノ町の恵比寿像が見えてきます。商業地であった名残の恵比寿さんが、あちこちにあり、往時が偲ばれます。残念ながら昔の面影はありませんが、国道沿いに佇む2体の恵比寿像は当時の面影を残す貴重なものです。このほか、かつて佐賀の乱の戦死者を供養するために村人が建てたとされる六地蔵も、整備された道路脇に小屋掛けされて安置されています。このように道路の整備によって、失われてしまったものも多いようです。

堀でーちよだの様子
▲堀でーちよだの様子

 境原宿の位置する千代田町には、ユニークなイベントがあります。毎年8月の上旬、町のシンボルであるクリーク(水を溜める機能を持つ排水路)や川を舞台としたイベントです。見所は古くから生活必需品として使われていたハンギー(木製のタライ)の競漕。1,000メートルのコースを4人1組でのリレーでつなぎます。ハンギーの乗り方は簡単なようで難しく、堀に落ちて転覆といったこと多々あるそうです。他にも飛び込みターザンや川の釣り橋、カヌーの試乗、夜には踊りやバンド演奏、花火大会もあり、子供から大人まで一日中楽しめます。近年は町内外からだけでなく、県外や海外の参加者も増え、国際交流の場としても知られるようになっているそうです。

 千代田町を中心に佐賀平野のいたるところに縦横に走るクリーク。川の下流地帯にとくに発達し、灌漑や交通、農業用水として利用されてきました。この地域に住む人たちの生活の一部であることは間違いないといえるでしょう。クリークに浮かぶ水草の一種、菱は水面を緑に多い、夏には白い花を咲かせ見る人を楽しませてくれます。収穫の時期には先ほど掘でーちよだで競技に使われるハンギーを使って収穫します。きれいな花とハンギー、何だか見てみたいという気持ちに駆られてしまいます。周りは一面田んぼ、その中を北の脊振の山から南の筑後川まで流れていく。心地よいそよ風ときれいな風景が長崎街道を歩く旅人に安らぎと癒しを与えてきたのかも知れません。

 次は佐賀宿へ参ります。


長崎街道を歩こう!

【境原宿】
○江戸時代の国名/肥前国
○現在地/佐賀県神埼市
○アクセス/
  電車…JR長崎本線神埼駅から車約10分
  車…長崎自動車道東脊振ICから車で15分
○まつり/神埼そうめん祭り(5月)、長崎街道かんざき宿場まつり(7月下旬)、堀デーちよだ(8月)、わんぱく(8月お盆)

【原の町 恵比寿像】
○所在/佐賀県神埼市
○アクセス/
  電車…JR長崎本線神埼駅から車で約10分
  車…長崎自動車道東背振ICから20分

【堀デーちよだ】 2009年8月8日(土)
○所在/佐賀県神埼市
○アクセス/
  電車…JR長崎本線神埼駅から車約10分
  車…長崎自動車道東背振ICから車で約15分
     国道385号線を千代田方面へ、千代田総合支所近く

【参考文献】
『長崎街道を行く』 著/松尾卓次 発行/葦書房
長崎街道~長崎街道を活かした地域づくり~HP
神埼市HP

【写真&資料】
写真&資料提供 神埼市役所商工観光課

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